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ホルンの秘密

吹奏楽、クラシックでよく使われているホルンは正式にはフレンチホルンと呼ばれています。
古くは角笛が原型でアルプスの山で複数の人が並んで吹く、あの角笛です。


角笛自体は倍音列の音が出せるだけでした。ドソドミソドー見たいな感じです。
フレンチホルンは薄い金属でパイプを作り、さらにレバーを押すと1音下がるレバー、
半音下がるレバー、1音半下がるレバーを取り付けて、倍音とレバーを押す組合せによって、半音階すべてが演奏出来るようになりました。


フレンチホルンは丸く巻いてあるので余り長く感じませんがトロンボーンと同じくらいの長さがあります。
細く長いパイプを巻いていくのは非常に大変で難しい作業です。

ヤマハの管楽器工場(埼玉のふじみ野にホルンを作っている工場があります)を見学させていただいたときはパイプが巻くときに内径の円が変形したりつぶれないように低温のハンダをパイプに流し込んでパイプ内に固まった状態で熟練の職人さんが治具の上にパイプを乗せてギュギュッと丸く巻いていきます。加工が終わった後で80度以上に暖めると低温ハンダが溶けてパイプの中から出ていってしまいます。


世界の名器、ドイツのアレキサンダーの工場も見学させていただきましたが、こちらではパイプの中に水を入れ冷凍室で凍らせてから加工します。もちろん手作業です。氷が圧縮される音がキュキュキュキュと熟練の職人さんが巻いていく音は音楽のように聞こえました。

フレンチホルンの種類

フレンチホルンには種類があります。シングルホルン、セミダブルホルン、フルダブルホルン、ディスカントホルン、トリプルホルンがあります。

現在、吹奏楽で一番使用されているのがフルダブルホルンになります。

Bbシングルホルン
管の長さが一番短いモデルで重量も軽く、吹きやすいモデルで小中学校で使われる場合があります。音は管が短い分、軽めの音です。ヤマハからYHR-322IIが出ています。

Fシングルホルン
Bbシングルホルンよりも管が長くなりより低い音まで出せます。音もホルンらしいやわらかな音が出ます。高音の倍音間隔が狭くなってくるのでコントロールするためにはBbシングルよりも練習が必要となりますが、音ではFシングルに軍配があがります。ヤマハからYHR-314IIが出ています。

ディスカントホルン
Fシングルホルンより1オクターブ高いキーのホルンをDescant Horn ディスカントホルンと呼びます。クラシック音楽などで高音域で演奏される楽曲に使用されています。ヤマハYHR-881、YHR-882が該当モデルになります。

セミダブルホルン
Bbシングルホルンにレバーを押すとFシングルホルンと同じ長さになる補正管を取り付けたモデルです。重量がやや軽くなります。息の流れが低い音は複雑になるので抵抗感などセミダブル特有の癖を持っています。

フルダブルホルン
現在は一番一般的なモデルなのでダブルホルン、ホルンと言うとこの、フルダブルホルンを指す事が多いです。
Bbシングルホルンの長さを持つ管と、Fシングルホルンの長さを持つ管をバルブで切り替えて演奏出来る仕組みになっています。Fシングルではミスしやすい高音部はBbシングルに切り替えて吹き、低音部は音色に利点やBbシングルでは出ない低い音域をFシングルに切り替えて吹くと言う奏法がスタンダードですが色々な組合せも出来ます。

中高生の吹奏楽で一番良く使われているモデルはヤマハのYHR-567YHR-567DYHR-567GDBです。さらに中級、上級者にはヤマハの上位機種、ハンスホイヤー、ホルトン、そしてホルン吹きあこがれのアレキサンダーがあります。

トリプルホルン
Bbシングル、Fシングル、ディスカントの独立した管を1台のホルンとしてまとめたホルンです。マルチプレイヤー向けで、これ1台ですべての楽曲が演奏出来ます。
重いです。とっても重いです。

ウィンナホルン
伝統を重んじるウィーンフィルハーモニー管弦楽団で使用されているホルンで、通常のフレンチホルンに比べると、旧式バルブ方式など、そのままを踏襲しています。音階を作るためのバルブを持たないナチュラルホルンに近い、暗く重いサウンドや大きな音量で吹かないと通常出せない割れたような音も通常の音量で出せるのでオペラ奏者の歌声と調和のとれた音量での伴奏に適しているようです。


ベルカットモデル
フレンチホルンはベルがとても大きく楽器を持ち運ぶケースも、大きなベルにサイズを合わして作るので持ち歩きには苦労する楽器なのですが、ベルの部分を着脱可能にしたモデルの開発で余り厚みの無い、角形のケースで持ち運びが楽に出来るようになりました。
ヤマハではデタッチャブルの頭文字をモデル名に付けてYHR-567DYHR-567GDBなどDの付いたモデルがベルカットモデルになります。

素材による違い

フレンチホルンは一般的に真鍮で作られています。管楽器に一番良く使われている素材です。銅と亜鉛の合金ですが配合の比率によっても種類があり、サウンドにも影響します。

イエローブラス
銅60%~65% 亜鉛35%~40%位の配合で黄色味を帯びた輝きで明るい響きが得られます。YHR-567、YHR-567Dがイエローブラスです。


ゴールドブラス
銅70%~75% と亜鉛の配合でイエローブラスに比べると柔らかく、重い響きが得られます。YHR-567GDBがゴールドブラスです。


洋白
銅、ニッケル、亜鉛の合金で銀色に近い色です。真鍮よりも硬めでハッキリした響きを得られます。ヤマハYHR-668NDが洋白製です。


マウスピースシャンク

ホルンのマウスピースのシャンク(段々細くなるテーパー条の部分)にはサイズが2種類あります。ヨーロッパは3/100(100分の3)、アメリカは5/100。3/100というのは100ミリの間で少しずつ細くなって行き100㎜の場所で3ミリ直径が細くなるという意味です。このシャンクとマウスパイプが合ってないと、息がもれたり、ガタガタして不具合が出ます。アレキサンダー、ハンスホイヤーはヨーロッパの3/100です。ホルトン、コーンはアメリカンシャンク5/100です。

ヤマハでは現行モデルはダブルシャンクと言って3/100にも5/100にも適合するマウスパイプを開発。世界中のマウスピースから自由に選ぶことができ、演奏の楽しみを広げています。


組立、お手入れのコツ

最近はベルカットが主流になってきました。ベルを勢い良くしめると取れなくなってしまいます。無理に取ろうと力を入れすぎてベルを回そうとすると本体のベル受けがよじれて変形してしまう事もあるので決して無理をしないようにして下さい。

ロータリーオイル、ロータースピンドルオイルはこまめに補給して下さい。
一度オイル切れを起こして固まってしまうと分解洗浄、調整など修理代がかかってしまいます。抜き差し管に溜まった水分は練習後は必ず取り除いてください。