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Roland TD-25 その音源部にクローズアップ

2015年4月に発売された、Roland V-Drumsの新スタンダード・モデル、TD-25シリーズ。V-Drumsの最上位モデルであるTD-30直系のサウンドエンジンを搭載することで、よりリアルで楽器らしい表現力を得、旧モデルよりも劇的に進化致しました。当記事では具体的に強化された点を中心に、旧モデルであるTD-15、最上位モデルであるTD-30と比較し、TD-25の魅力をお伝えしていこうと思います。

■表現力が圧倒的に向上!TD-30直系のSuperNATURALエンジン搭載

まずは動画でTD-25の実力をご確認ください。UKのバンド「Rudimental」のビートマスター、Beanie氏によるソロパフォーマンスです。

いわゆる「打ち込み臭さ」が無い、電子楽器とは思えぬ非常にリアルな演奏ですね。これはTD-30より搭載された、「V-Drums SuperNATURAL」により実現しております。

ライドシンバルを例に挙げて説明致しましょう。連打をした場合、従来の電子ドラムでは以下のような形で再現されます。

シンバルが音が再生されている最中に、もう一度シンバルを叩きます。すると、前の音がプツッと止まり、同じシンバルの音が再生されます。実は、この点が「打ち込み臭さ」が出てしまう一番の要因なのです。

本物のシンバルではこうなりません。一打目の響きは二打目を叩いても、消えずに重なっていきます。それが本来のシンバルのあるべき姿です。そういった「楽器本来の振舞い」を再現したのが、SuperNATURALエンジンです。

基本的にドラムは叩く間隔や強弱で極端に出る音が変わります。SuperNATURALは、そのあたりの「ドラム本来の振舞い」を再現することで、よりリアルかつ自然な演奏を実現しております。

実は、このSuperNATURAL自体は旧機種である「TD-15シリーズ」にも搭載されておりました。ただ、TD-30とTD-15に全く同じSuperNATURALエンジンが搭載されているわけではありません。最上位モデルであるTD-30の方が、より細かなニュアンスを表現出来るようになっております。しかしTD-25はスタンダード・シリーズの位置づけであるにも関わらず、フラッグシップ・モデルであるTD-30とほぼ同等のSuperNATURALエンジンが搭載されているのです。

そして「打点位置感知機能」。元々はTD-30の専売特許であった機能が、TD-25にも搭載されたのは大きなポイントと言えるでしょう。例えばスネアドラムのヘッド中心部を叩いた時と、フチのほうを叩いた時とでは出る音が異なります。 ライドシンバルも同様で、中心部とフチの方とでは出る音が異なります。TD-25は「パッドのどの位置が叩かれたか」を検知し、部位に沿った音が再生される仕組みが搭載されました。従来機種と比較すると格段にリアルで、より生ドラムに近い自然な演奏感を実現しております。

■使い方は至ってシンプル。簡単かつ使いやすいインターフェース

そんな高性能のTD-25ですが、使い方は至ってシンプルなのです。先ほどの動画で用いられたドラムセットの製作過程が動画になっておりますので、見てみましょう。

ピッチやサスティーン、チューニング等、かなり細かな部分までカスタマイズ出来ます。凄いのは、この作業の大半がツマミをまわすだけで行われている点。改めて動画を見返していただければお分かりいただけますが、Beanie氏はほとんどボタンを押してません。

TD-25は、インストの切り替え、チューニング、ミュート、レベルの調整がツマミをまわすだけで行えます。例えばハイハットの音量をもう少し上げたいという場合。以前の機種であれば、メニューボタンを押して、ページを切り替えてミキサーの項目を呼び出し、ハイハットを選択して音量を調節する……といった形で、何か変更したい場合何階層か潜る必要がありました。 しかし、TD-25の場合は至ってシンプル。ハイハットのパッドを叩き、LEVELのツマミを回して音量調整。コレだけです。2ステップで出来てしまうのです。

練習でよく使うメトロノームもClickボタンを押すだけで使用可能に。BPMは専用の液晶が設けられ、テンポチェンジも容易に出来るようになりました。取扱説明書を見なくとも直感的な操作が可能となり、機械が苦手な方でも安心してTD-25の機能を使いこなす事が出来ます。

  • TD-15との比較
  • TD-30との比較

■TD-15との比較

では前モデルであるTD-15と比較してみましょう。まずは以下の表をご覧ください。

TD-15TD-25
ドラム・キット数10018
音色数500233
ソング23-
インスト・パラメーターチューニング
マフリング
スネア・バズ
ストレイナー
トーン・カラー

ボリューム
パン
チューニング
マフリング
レベル
(パン)
エフェクト・タイプ アンビエンス(10タイプ)
4バンド・イコライザー
マルチ・エフェクト(10タイプ)
リバーブ(8タイプ)
マルチ・エフェクト(21タイプ)
イコライザー(トーン・コントロール)
拡張用トリガー・インプット端子22(TD-25KV-Sの場合は1)
インターフェースUSB-MIDI
USB-AUDIO
USBメモリー
USB-MIDI
USB-AUDIO
USBメモリー
ソング機能×

TD-15よりも音色数、キット数が大幅に削減されております。また、インスト・パラメーターも項目が減り、内蔵の練習曲と合わせてドラムを叩けるソング機能も無くなりました。じゃあ大幅にスペックダウンしたのでは?と考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが…

Roland Vドラム TD-15

まず音色数。確かに数は減りました。しかし、質は大幅に向上しております。例えばスネアドラム。本物のスネアは叩く強さで出る音がまるで変わります。安価な機種でも叩く強さで音量は変わります。しかし、あくまでそれは音量を変化させているに過ぎず、発音される音自体が変わるわけではありません。

性能の高い電子ドラムは、叩く強弱により出る音そのものを変化させます。TD-15は大部分をボリュームによる音色変化に頼っているのに対し、TD-25は強弱や叩く間隔、叩く位置によって発音される音色が変わります。スネアドラム一音色の中にも様々なバリエーションが含まれており、TD-15のそれとは質が異なるという事です。

そもそも…100個のドラムセットがあったとして、それを全て使いますか?という話も出てくることでしょう。中には結構変則的なセットや、用途がごくごく限られたお遊び的なセットも含まれています。無論それらの音色を愛用されていた方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし結局良く使うのは4、5セットくらいに留まるユーザーが圧倒的に多いのでは無いでしょうか。それならばあまり使わない機能を削り、その分良く使う音色を向上させようというのがTD-25の考え方です。

その他の諸機能においても概ね同様の事が言えるでしょう。インスト・パラメーターから削除されたのは以下の項目ですが…

・スネア・バズ - スネアへの共鳴(他の太鼓を叩いた時、どれだけスネアを共鳴させるか)。
・ストレイナー - スナッピー(響き線)の張り。
・トーン・カラー - 音の明るさ

「ストレイナー」はともかく、他は結構マニアックな部分です(笑)また、変更する事で自然さが損なわれる事も懸念されますし、さほど困ることは無いでしょう。

内蔵の伴奏曲に合わせてドラムを叩く「ソング機能」。これが無くなった点はちょっとマイナスかもしれません。ただ無料でダウンロードできる「Roland V-Drums Friend Jam」を用いれば、より便利なソング機能を活用できます。伴奏パターンも多数ダウンロードできますし、採点機能や演奏内容のプレイバック、採点等、練習をサポートする機能が多数。結局内蔵の伴奏曲だけでは飽きてしまう方も少なくなかった、という事なのでしょうか。

Roland V-Drums Friend Jam

その他細かい点も挙げていきましょう。

マスターエフェクト。種類はTD-15で10タイプ、TD-25で21タイプ。例えば山びこ効果をつける「ディレイ」や、音を歪ませる「ディストーション」。これをドラムに掛けることで、ドラムの音に変化をつける事が出来ます。TD-25の方が種類が多いのですが、TD-15はパッド毎にエフェクトを掛ける、掛けないを切り替えできたのに対し、TD-25はドラムキット全体に掛けることしか出来なくなりました。例えばスネアだけディレイを掛けたり、そういった使い方はTD-25だと出来ません。

また、低音や高音といった、周波数帯域ごとの音量調整をする「イコライザー」。TD-15は、低音、中低音、中高音、高音の4バンドであったのに対し、TD-25は低音、高音の2バンドになりました。ただ、TD-25は低音、高音それぞれ調整したい周波数帯域を変更できます。

減っただけでは無く、追加された機能もあります。

TD-25は、演奏した音を本体へ挿したUSBメモリへ直接録音出来るようになりました。また、AUX INの端子にオーディオプレイヤー等を接続し、曲を流しながらドラム演奏を録音した場合、オーディオプレイヤーで再生中の曲も一緒に録音されます。「叩いてみた」とか、自分の演奏を動画や音声で公開する場合には便利ですよね。

TD-25 USBメモリ対応

その他、ブラシに対応した点も大きいでしょう。スネアドラムをブラシ用の音色にするだけでOK。今まではTD-30でしか出来なかったスイープ奏法にも対応します。

TD-15と比較し、機能や音色数等、スペック上において見劣りする点があるのは事実です。ただ、一番基本的な「ドラムの演奏」に関する部分(音質、表現力、操作性等)は大幅に強化されております。旧V-Drumsシリーズをお持ちであれば、音源部を買い換える事でTD-25の表現力を体感出来ます。TD-25は音源単品でも販売しておりますし、既存の音源の買取も承っておりますので、是非ご検討くださいませ。

※お買い替えをご検討の方へ
TD-25は旧シリーズのパッドにも対応しておりますが、ポテンシャルを最大限に引き出す為に以下パッドのご利用を推奨致しております。

・ハイハット - VH-11
・スネア - PDX-100、PD-108BC、PD-128(S)-BC
・ライド - CY-13R、CY-15R-MG

既存のパッドは増設用として活用、もしくは買取も承ります。是非ご検討を!

■TD-30との比較

TD-30直系のサウンドエンジンであることはご紹介致しましたが、実際どれくらい違うのでしょう。では以下の表を見てみましょう。

TD-30TD-25
ドラム・キット数10018
パーカッション・セット8-
音色数1100233
ドラムキット・チェイン16-
エフェクト・タイプ パッド・コンプレッサー(パッドごと)
パッド・イコライザー(パッドごと)
アンビエンス・セクション(オーバーヘッド・マイク・シミュレーター、ルーム・タイプ=25種類、リバーブ)

マルチ・エフェクト=21種類
マスター・コンプレッサー
マスター・イコライザー
バッキング・パート用リバーブ
バッキング・パート用コーラス
リバーブ(8タイプ)
マルチ・エフェクト(21タイプ)
イコライザー(トーン・コントロール)
シーケンサーユーザー・パターン=100
プリセット・パターン=100
パート=6
再生機能=ワンショット、ループ、タップ
レコーディング方法=リアルタイム
最大記憶音数=40,000音
-
インターフェースUSB-MIDI
USB-AUDIO
USBメモリー
USB-MIDI
USB-AUDIO
USBメモリー
V-EDIT-
ハイハットVH-13まで対応VH-11まで対応
接続端子TRIGGER INPUT端子×15
MASTER OUT端子(L/MONO、R)(標準タイプ)
DIRECT OUT端子×8(標準タイプ)
DIGITAL OUT端子(コアキシャル・タイプ、44.1kHz/24-bit)

PHONES端子(ステレオ標準タイプ)
MIX IN端子(ステレオ標準タイプ)
MIDI端子(IN、OUT/THRU)
USB COMPUTER端子
USB MEMORY端子
FOOT SW端子(TRS標準タイプ)
AC IN端子
TRIGGER INPUT端子 ×実質11(拡張端子込み)
MASTER OUTPUT端子(L/MONO、R)(標準タイプ)
PHONES端子(ステレオ標準タイプ)
AUDIO INPUT端子(ステレオ・ミニ・タイプ)
MIDI OUT端子、USB COMPUTER端子(USBタイプB)
USB MEMORY端子(USBタイプA)

ドラムキット数、音色数はTD-30の圧勝。トリガーインプットの数もTD-25より4つ多く、3シンバル、2フロア構成にした上、スプラッシュやカウベル等を追加出来ます。

Roland Vドラム TD-30

エフェクターの部分も大きく異なります。TD-30はコンプレッサー、イコライザーはパッドごとに値を設定可能。アンビエンス周りも強く、どういう部屋なのか、どういった形でマイクを置くか等、様々な環境をシミュレーションできます。マルチエフェクトの種類はTD-25と変わりませんが、各パッド毎にSEND量を調節出来るのはTD-30だけ。

また、TD-30はV-EDITという音色カスタマイズ機能を搭載し、スネアのシェル素材や口径、深さ、マイクをどれぐらいの距離に設定するか…等、エフェクターも含めTD-25以上に細かく音を作りこむことが出来ます。更にシモンズに代表されるようなシンセタムの音色も、TD-30ならば余韻や音程等をコントロール出来ます。

その他TD-30にしか無い主な要素としては…

・対応パッド
リアルな演奏間が売りの二枚組みハイハット、VH-13に対応。また、タムのリムショット時における打点感知が出来るのもTD-30のみ。

・ドラムキット・チェイン
ライブで使う場合を想定した機能。キットを呼び出す順番を予め並べておき、次に使うドラムキットを簡単に呼び出せます。

・シーケンサー機能
強化されマルチに活用できるソング機能のようなものです。

・ダイレクトアウト端子
スネアのみ、バスドラムのみパラレル出力が可能。レコーディング、ライブ時に便利です。

・デジタル出力端子
アナログと比較してロスの少ない出力方式を利用できます。

・フットスイッチ対応
キットの切り替え等、特定の機能を割り当てられるフットスイッチを活用可能。

自宅練習等、普段使いの場においてTD-25が劣るポイントを挙げると…

・VH-13非対応
・拡張できるパッドが2枚だけ(TD-25KV-Sの場合、1枚)
・音色数が少ない

この辺りでしょうか。

こう言うと語弊があるかもしれませんが、「普通」に使う場合であればTD-25でも対応できます。ただ、「ライブやレコーディングで使いたい」、「拡張して要塞のようなセットを作りたい」といった要望に応えるには、機能面、拡張性や音色数の面でネックになってしまいます。ハイハットの最高峰VH-13が使用出来ない点もマイナス。

音源にせよ、セットにせよ、TD-25とTD-30の間には1.5~2倍程度の価格差があります。その価値をTD-30に見出す事が出来るならば、やはりTD-30を選ぶべきでしょう。ただ、「ベーシックなドラムの音、スタンダードなパッド構成で、手軽に演奏を楽しみたい」という事であれば、TD-25でもほぼ同等の働きをしてくれます。加えて「操作がシンプル」という点もTD-25ならではの強みと言えます。

元々TD-9、TD-15と言ったスタンダードクラスは構造が最上位機種とは大きく異なり、著しい性能差がありました。しかしながらTD-25はスタンダードクラスであるにも関わらず、最上位機種と同等のエンジンを搭載。進化の度合いが今までとは大幅に異なり、TD-30と同じ土俵で語れるまでの大きなポテンシャルを持った音源です。

御茶ノ水ドラム館では、TD-30KV-S、TD-25KV-Sのいずれも展示中です。その他様々な機種と比較いただき、TD-25の高い性能をご実感いただければと存じます。

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