（※写真は渋谷店の在庫品です。実際の製品とは色味や仕様が変更となる場合がございます。）

　ちょうど2016年4月の来日公演が決定したエリック・クラプトン。奇しくもこのニュースとタイミングを同じくして、フェンダーカスタムショップのシニアマスタービルダー・トッド・クラウスが製作したエリック・クラプトン・ストラトキャスター・ゴールドリーフが入荷しましたのでご紹介しましょう。イシバシ楽器店スタッフが2012年11月にカリフォルニア州コロナにあるフェンダーファクトリーを訪問した際に特注したモデルで3年越しの待望入荷となります。

Todd Krause

ABOUT

　オリジナルのゴールドリーフはマーク・ケンドリック（元シニアマスタービルダー、2010年春よりFMIC製品全体の品質管理を統括するポジションを担当）が、 1996年頃にカスタムショップの責任者であったジョン・ペイジ、マスターアーティザンのジョージ・アミケイとともに制作にあたっております。プロトタイプはゴールドのピックガードだったのが、本器はクラプトン本人の要望でワンプライのホワイトガードにリプレイスされた仕様を復刻しております。メッキやラッカー塗料のカラーではなく、大胆にGoldLeaf（金箔）を貼り付けた上にクリアコートを施した豪華絢爛な佇まい。写真を眺めているだけでも、思わず吸い込まれてしまいそうな魔力を秘めています。1997年にスイスで行われたモントルー・ジャズ・フェスティバル「レジェンズライブ」でECがこのギターをプレイしていたのが映像化されていますのでご覧になった方も多いことでしょう。

　「ブルース・ブラザーズ2000」(1998年)でも馴染み深い黒ぶちメガネをかけたクラプトンが率いたLEGENDSバンドはマーカス・ミラー、ジョー・サンプル、デヴィッド・サンボーン、スティーヴ・ガッドといった、そのネーミングに相応しい伝説的な構成。ラリー・カールトンの名演でおなじみ、クルセイダーズの「Put It Where You Want It」などECファンにとっては意外な選曲も多かったのですが、そのジャズ/フュージョンのジャイアントのなかでも、真摯に自分自身のプレイスタイルを貫き、BLUESに向き合っているエリックの姿。そのミスター・スローハンドの説得力あるトーンには心を揺さぶられてしまいます。その後、ゴールドリーフ・ストラトは、ロイヤルアルバートホールで開催されたモントセラト島のベネフィット・コンサート（1997年）でマーク・ノップラーと「Same Old Blues」などを熱演した際にも使用。2001年のワールドツアー、「One More Car, One More Rider」の一部公演でプレイされた後は表舞台を引退することとなりましたが、2004年6月24日に行われたクリスティーズのチャリティー・オークションにて455,000ドルの超高値で落札されることとなり話題を呼んでいます。ご存知の通り、ドラッグ・アルコール依存症患者の更正施設であるクロスロードセンターの基金にあてられることとなりました。

関連映像作品

ライヴ・アット・モントルー1997

モントセラト島救済コンサート

＊ブルーレイ/DVDの画像はAmazonアソシエイトを利用しています(外部リンク)。
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　フェンダーカスタムショップでは2003年頃に日本市場向けにマスタービルダーのジョン・イングリッシュやマーク・ケンドリックらによってクラプトンモデルのゴールドリーフ・ストラトキャスターが限定製作される機会がありました。翌年には、ブラッキーやSRVレニーの落札でも知られるアメリカ最大級の楽器店ギターセンターが主導したオーダーも入っていましたが、その後はゴールドピックガード・プロトタイプの企画モデルが少数製作されたり、時折カスタムオーダーでバリエーションモデルが存在してきたくらいの印象です。ここ数年は特に市場流通が僅少でしたので、長期間このギターをお探しの方も多かったでしょう。大変お問い合わせの多い商品でした。

　本器の制作にあたったトッド・クラウスは皆様御存知の通り、マスタービルダーJ.W.ブラックの仕事を後継する形でエリック・クラプトンや、ジェフ・ベックが現役で愛用するギターを手がけるようになった他、ボブ・ディランやリッチー・サンボラ、デヴィッド・ギルモアといったスター御用達のビルダーとして大活躍しています。Senior Master Builderというドリームファクトリーで究極の称号を与えられた職人で、当然バックオーダーの数も他のビルダーと比較して桁外れに多く、その実力は折り紙付き、確固たる評価を築いております。

　故柳ジョージ氏やジョン・メイヤーもゴールドリーフの優美な質感をいたく気に入っているようで、ECフリークではないフェンダリアンからも注目度が高く、まさに美術工芸品のような逸品。ゴールドレースセンサー・ピックアップを搭載しており、滑らかで歌心のある音色、ミッドブーストをかけたときの美しく伸びやかなサスティーンは筆舌に尽くしがたい魅力があります。今ここに、あの頃の記憶が鮮明に蘇ります。