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ジェフ・ベックの軌跡

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 2014年は来日アーティストの当たり年なのでしょうか。世界三大ギタリストとして名前があがるエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ。そのうち二人の来日が決定し、先日クラプトンの来日公演が終了致しました。そして、4月ジェフ・ベックが来日します。
 今回は東京公演を皮切りに、大阪、札幌、盛岡、横浜、名古屋と公演があり、チケットは即日完売。さらに東京と大阪の追加公演が発表となり、残りわずかになっているようです。
 孤高のギタージャイアント、ジェフ・ベックは、エリック・クラプトンより1年早い生まれでジミー・ペイジと同じ1944年生まれ。2014年の6月には70歳を迎えます。エリック・クラプトンの脱退後にジミー・ペイジとともにヤードバーズでリードギターを務めていたのが1960年代の中頃。ヤードバーズ脱退後には、彼自身のバンドであるジェフ・ベック・グループを結成します。 ジェフ・ベックの音楽性は常に変化を続けています。ヒルビリーやブルーグラスなどのカントリーミュージックや、ロカビリー、デルタ~アーバン/モダンブルース、また広範なジャズのギターレジェンドの影響を色濃く受けながらも、決してそれだけに留まらず、サクソフォンなどの管楽器や、世界中各地の民族音楽、シンセサイザーなどの電子楽器等々、ありとあらゆる音楽性を貪欲に吸収し続けており、そのスポンティニアスなインプロヴィゼイションはJB特有のユニークなロックギタースタイルとして昇華されています。そのトリッキーでかつ歌心あふれるアーティキュレーションはオーディエンスの心を躍動させ鷲掴みにして離しません。

 この機会にイシバシ楽器では、担当スタッフ厳選の関連商品をピックアップしてご案内いたします。今一度、音楽への情熱を掻き立ててくれるアイテムが勢ぞろいです。みなさまのご利用心よりお待ちしております。

ジェフ・ベックとフェンダー・ギター

ジェフ・ベックが使用してきたFenderギターに着目すると、まずヤードバーズ時代に愛用していた1954年製エスクワイヤは看過できません。あのギターはウォーカー・ブラザーズのジョン・マウスから譲り受けたと言われており、2006年にフェンダーカスタムショップのトリビュート・シリーズから精巧なレプリカが限定発売されたのは記憶に新しいですね。ボディトップとバックを削りこんでストラトキャスターのように大胆なコンター加工が施されたルックスは存在感抜群です。
このギターは後にピックアップ製作の巨匠セイモア・ダンカンの手に渡り、ダンカン本人がオールドのテレキャスターを改造して、ギブソンPAFハムバッカーをマウントした通称「テレギブ」とトレードされたことが広く知られています。テレギブでの演奏は、1981年のシークレット・ポリスマンライブでクラプトンと共演したビデオでも有名です。 ストラトキャスターに関しては、「ストラトマスター」として知られるJBだけあって実に数多く所有しています。以前よりオリンピックホワイトは好ん使用していましたが、その中でもシェクターアッセンブリを搭載したと言われるブラックガードや、第二期ジェフ・ベック・グループの頃のナチュラルのストラト、1986年の軽井沢ライブでもおなじみの鮮やかなイエローのストラトなどは外せないところです。
また1954-1955年製のサンバーストをヤン・ハマーとプレイしているイメージも強いですね。

フェンダー社が製作したジェフ・ベックのシグネチャーモデルとしては、1989年発売の「ギター・ショップ」の頃からメインとなったサーフグリーン・フィニッシュの通称「リトル・リチャード」がとりわけ有名です。市販されたモデルでは既発のストラト・プラスというモデルをモチーフにしたようなスペックで、当初はレースセンサーピックアップをSSHレイアウトで配置。プッシュスイッチでリアピックアップをハム/シングルに切り替えることができ、特に初期のものだとレスポールのようにかなり太いネックが特徴的でした。 2001年頃のアップデート後は、セラミック・マグネットを縦積みしたスタック構造のホットノイズレス・ピックアップをフィーチャーしています。スムーズなアーミングが可能な二点支持式トレモロユニットで、チューナーはシュパーゼルスタイルのロックペグ。ナットは基本的にはLSRスタイルのローラーナットを搭載していますが、一部カスタムモデルなどでは、ウィルキンソンスタイルの大きなナットが取り付けられています。ネックジョイント部にはヒールレスカットが施されてハイポジションでの演奏性が高められており、トップエンドの素晴らしい鳴りと、ホットでブライト、パワフルなミッドレンジが楽しめます。タイトで濃厚なサスティーンが秀逸なモデルです。 JB本人のメインギターは当時のフェンダーカスタムショップ・マスタービルダーJ.W.ブラックが製作したネックを使用し続けているというのが通説ですが、その後、アート・エスパーザやトッド・クラウスら次の代のマスタービルダーへと仕事が引き継がれています。ジェフ・ベックモデルはジョン・メイヤーなどのトップギタリストも多く愛用しており、ストラトキャスターそのもののポテンシャルの高さを悉く追求したギターに設計されています。近年のJBはフェンダーカスタムショップのノーキャスターもお気に入りのようです。

ジェフ・ベックとギブソン・ギター

ジェフ・ベックも当時の多くの名だたるギタリストの例に違わず、ブルース・ブレーカーズ時代にエリック・クラプトンがプレイしたサウンドに魅了されレスポールを手にした一人だと言われています。ヤードバーズ時代には1959年製でダブルホワイツPAFのチェリーサンバーストを購入。当初はブラックガードを配したユニークなルックスが特徴的でしたが、後に塗装を剥ぎ取ったナチュラルフィニッシュとして使用しています。
第一期ジェフ・ベックグループを結成した1968年頃からの愛器としては、後年チープトリックを結成するリック・ニールセンより購入した美しいサンバーストの1959年製レスポールが有名です。あいにくそのレスポールは盗難されてしまったようですが、フロントにオープンゼブラボビン、ブリッジにダブルブラックボビンのピックアップを搭載したビグスビー痕のある個体で、名著「ビューティ・オブ・ザ・バースト(BOTB)」の90ページに掲載されております。鮮やかな王道のワイドフレイム・ティーバーストで、まさに非の打ち所のない輝かしいフィギュアド・メイプルトップの一本ですね。
そして、JBの代名詞として広く認知されているのは何と言ってもオックス・ブラッドでしょう。その名の通り、雄牛の血の色に由来する赤褐色がかった濃紺のフィニッシュで、様々なメーカーからこぞってレプリカが発売されました。フュージョン期の傑作「ブロウ・バイ・ブロウ (ギター殺人者の凱旋)」のジャケットでも大々的にフィーチャーされており、一般の方にもとても知名度が高いようです。 オックスブラッドは、ダブルブラックボビンのノンカバード・ピックアップ。シャーラーM6チューナーを搭載しており、元はP-90をマウントした1954年製ゴールドトップ・レスポールのコンバージョン/リフィニッシュというのが通説です。ラップアラウンドタイプのバーブリッジであることの影響もあって、ダイレクトでソリッド感の強いサウンドはこのモデル特有のものと言えるでしょう。
ヴァニラ・ファッジのティム・ボガート、カーマイン・アピスとの世界的名盤であるBBAの「ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン(紙ジャケット仕様) 」(1973年)。あの音源でアウトプットされている、ホットで力強く噛み付くような極上のドライブサウンドはファンならずともギタリストであれば必聴です。 オックスブラッド・カラーの1954年レスポールのリイシュー自体は、ギブソン本家でも時おり製作されてきましたが、2009年にはギブソンカスタムショップより正式なジェフ・ベック・シグネチャーモデルとして限定製作されました。
当時のサインド/エイジドの販売価格は250万円を越えていましたが、即日完売となってしまったのを強く記憶しています。
最近ではJBの冠こそつきませんが、ジャパンリミテッドランとしてワンプライのロッドカバーまで復刻したオックスブラッドがお手頃価格で限定入荷しています。JBG時代のレスポールも、ギブソンカスタムでBOTB90ページのカラーをモチーフにしたレスポールが製作されていますので気になる方はお気軽にお問い合わせ下さい。 故レス・ポールのトリビュートライブなどでは、ジョーパスや、ハーブ・エリス、ケニー・バレル、ジム・ホール、パット・メセニーらの巨匠も愛用しているジャズギターのスタンダードモデルES-175を構える姿も印象的でした。




ジェフ・ベックとアンプ・エフェクター

時代ごとに変化・進化を続けているジェフ・ベックの音楽性。その表現を可能にするためにアップデートが重ねられ続けてきた彼の愛用のギター。それらと同様に、やはりアンプ・エフェクト面でも時代ごとに変化が見られます。
ヤードバーズ期の愛用のアンプとしてはVOX AC-30が知られていますが、この時期から既にTone Benderの使用も確認されます。その後ジェフ・ベック・グループ期からアンプはMarshallのスタックアンプに変更され、BBA及び第二期ジェフ・ベック・グループ期にはユニヴォックス製のスピーカーを装着したSUNNのコンボアンプを使用しています。足元のペダルも70年代に入るとColor Sound社のPower BoosterのちOverdriverへと変遷を辿り、VOX+Tone Bender使用期のミッドレンジが分厚く倍音豊かな60年代らしいファズサウンドから、やや抜けが良くエッジの鋭い、現代で言うところの「オーバードライブ」的なサウンドへと変化していきます。 VOX AC30+Tone Bender、オールドMarshall、Power BoosterやOverdriverといった組み合わせはジェフ・ベック以外にも使い手が多く、登場から30年以上経過した今尚特にガレージロック/サイケデリックロック系のギタリストに愛され、各ブティック・メーカーから様々なコピー・モデルやリイシュー・モデルがリリースされ続けています。正に60年代及び70年代のロック・シーンを代表するアイテムと言えるでしょう。 その後70年代末から80年代に移ると、登場したばかりのBOSS OD-1、ついでGuitar Shop期にはProco RATへとペダルを変更し、BOSS DD-3デジタル・ディレイも追加。よりサスティーンが伸びザラザラした印象の、所謂「ディストーション」的なサウンドへと変化していきます。
80年代後半から90年代に入るとジョン・ボン・ジョヴィやダフ・マッケイガンなど当時のメインストリームに位置するHR/HMバンドメンバーとの共演も見られますが、その場においても浮くことは無く、その時代に即したロックギターらしいサウンドメイクをしつつ、聴いた瞬間にすぐわかる、一際個性を放つプレイを見せてくれるのはジェフ・ベックのなせる業といったところでしょうか?

飛び道具系のエフェクターの使用も、ジェフ・ベックを語る上では外せないポイントです。 第二期ジェフ・ベック・グループでのレスリースピーカー、BBAやBlow By Blow期でのトーキング・モジュレーター、Blow By Blow~Wired期のオクターバーやフリケンシー・モジュレーター(リング・モジュレーター)、70年代末には登場したばかりのRoland GR-500ギターシンセサイザーなど、当時としては先進的なエフェクトも積極的に自身の音楽の中に取り入れてきました。近年のマルチエフェクターやデジタルエフェクトのプリセットの中には、明らかに当時のジェフ・ベックを意識したと思われるギターサウンドも見られる事があり、元ネタ知っている方は思わずニヤリとしてしまうのではないでしょうか? 使用エフェクターの入れ替わりが激しい中、ワウペダルはキャリアを通して変わらず足元にセットし使用されているようで、70年代頃はCrybaby、近年はSnarling DogsのSuper Bawl Whine-O-Wahを愛用しています。
そして90年代末のWho Else!以降、大きく変化を遂げた音楽性と同様に使用アンプ・ペダルにも変化が見られます。 アンプは基本的にMarshallを使用し、2000年代からは JCM2000(DSL50)→ 1987X→ DSL100Hと変遷を辿ってきましたが、2013年時点では、Fender Vibro-King 3x10コンボアンプを、それまで使っていたDSL-100Hを50W出力に落とした状態でブレンドさせ使用しているようです。サブ機としては近年ハンドワイヤードシリーズの2061XをDSL100Hの上に乗せた状態で使用しているのを確認できます。キャビネットは近年は基本的にストレートタイプのBキャビが好みのようで、現在は1960BXを使用しています。特筆すべきはそのセッティングで、2013年時点でも、アンプのツマミを「4」の目盛り以上に上げる事はないそうです。スティーヴィー・レイ・ヴォーンなど名だたる共演者達がアンプのセッティングを見て「何であのセッティングでこんな音が出せるんだ」と唸ったという逸話も頷けます。  2000年代中頃まではHughes & KettnerのRotosphere(ロータリー・スピーカー・シミュレーター)の他、BOSS BF-2フランジャー及び LS-2ラインセレクター EBSのオクターバー、さらにエンジニアの自作と思われる謎の歪みペダルなどの使用が確認できますが、2013年時点のペダルボードはかなりアップデートされ、Rotosphere以外のペダルは入れ替わっており、Klon CentaurオーバードライブWay Huge Aqua-PussアナログディレイMXR Carbon Copyアナログディレイが代わりにセットされ、Lexicon Reflexラック式リバーブ等も使用しています。ペダルボードはVooDoo LAB Pedal Power2 Plusパワーサプライで電源をまかない、PEDALTRAIN製ボードに纏められています。ボードの外見だけ見るとつい最近発売されたばかりの製品も多く、シンプルにまとめられ、「若手人気ロックバンドのギタリストのボード」と言われても信じてしまいそうですが、70歳近い年齢となった今尚、好奇心の赴くまま新しい機材も積極的に試し、自身の音楽に取り入れていく姿勢こそが、ジェフ・ベックのサウンドの秘訣なのかもしれません。

その他アイテム

その他の使用アイテムに関しても、ジェフ・ベックらしいこだわりが随所に見られます。  奏法に関する点では、ピックを使わない指弾きと並ぶものとして、スライド・バーは欠かすことはできません。基本的にガラス製が好みのようで、BBA期の「Black Cat Moan」や、近年では「Nadia」など名演も数多く、デュアン・オールマンに勝るとも劣らないスライド・ギターの名手と言っても差し支えないでしょう。スライドバーの域を超えたものとしては、「Blackbird」においてナイフ(!)を使用して鳥のさえずりを表現した例もあります。  ジェフ・ベックが元となったスタンダードとしてはSeymour DuncanのSH-2 Jazz及びSH-4 JBピックアップも挙げられます。それぞれ前述のBlow By Blow期の「テレギブ」のフロント及びリアにマウントされていたピックアップを基に設計されており、リプレイスメント用としての人気はもちろん、ギターメーカーによっては正式採用して純正品としてマウントしているものも多く、ロック、ジャズ、ハードロック、ヘヴィメタルなど、ジャンルを超えて愛用者の多いモデルです。  弦に関してはErnie Ballを長年愛用しており、諸説ありますが近年はダウンチューニングの頻度も高い事から、太めのゲージを使用しているようです。チューナーは2000年代中頃時点ではPetersonのストロボ・チューナーをペダルボードに組み込んで使用している事が確認できます。